5. 思考のツール「ロジック・ツリー」とはどのようなものか


◆ 「ロジック・ツリー」とは

 ぜひ活用したい思考のツールである「ロジック・ツリー」について説明します。思考のツールとしては,ロジック・ツリーのほかにも,表(マトリクス)を使って情報を分ける方法や,手順(プロセス)に沿って情報を分けていく方法などがあります。
 ロジック・ツリーは,思考の過程を視覚化しやすいこと,作成のルールがある程度決まっていること,また何人かと共同で作成することができる,といった点で,ロジカル・シンキングのツールとしてはよく使われるものです。
 ロジック・ツリーには,用途によって,WHYツリー(原因追究ツリー),HOWツリー(問題解決ツリー),WHATツリー(要素分解ツリー)があります。ここでは,問題解決に活用されるWHYツリーとHOWツリーを中心に説明していきます。

◆ WHYツリーとHOWツリー

 WHYツリーは,問題を考えるとき「なぜ?」と考えながらツリーをつくるものです。「なぜ?」を繰り返すことで,原因(真因)を探求していきます。
 HOWツリーは,「どうやって?」と考えながらツリーをつくります。「どうやって?」を繰り返すことで,解決策を導き出します。
 ロジック・ツリーには,思考のプロセスや範囲,深さが一目でわかるというメリットがあります。また,自分の考え方の癖もわかります。作成にあたっては,いままで

 学んだ「抽象レベル」,「切り口」,「MECE」の知識を総動員します。

◆ 原因を広く,深く追究するためのWHYツリー

 上にWHYツリーの例を示しました。文章の書かれた箱をボックスといい,最初のボックスが「イシュー」です。イシューとは,「論点」とか「議論上の争点」という意味で,これから分析していく対象に対して,ぶれることがない,明確な表現の問題設定をしようというものです。
 2段目のボックスは,ロジック・ツリーの「切り口」にもなります。この「切り口」をどのように設定するかで,分析全体の方向性や精度,つまりロジック・ツリーの広さや深さが決まります。ロジック・ツリーをつくる場合,最も時間をかけたいのがこの「切り口」の設定です。「MECE」を意識して設定してください。
 次のボックスへと深めるとき,ボックス間で「なぜ(Why)?」という関係が成立していないといけません。「A製品の売上げが低下している」,なぜだろうか?→「営業担当者の営業力が弱いからだ」,なぜだろうか?→「顧客への訪問回数が不足しているからだ」…という具合に原因を追究していきます。
 ロジック・ツリーをつくるときは,思い込みや経験から離れた,あくまで客観的な姿勢で臨むことが必要です。また,なるべく深くロジック・ツリーをつくってください。浅いロジック・ツリーでは,ふだんぼんやりと考えていることの整理に過ぎないものになってしまいます。

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