人事評価の「手順B」は評価段階の選択です(図表13)。
「評価要素(項目)の選択」によって,適正な評価要素にあてはめられた職務行動は,「成績評価」「意欲(情意)評価」「能力評価」のそれぞれに定義された「評価基準」にしたがって「段階の選択」を行います。
段階の選択とは平たくいえば点数づけを行うことですが,人事評価の点数づけは「測定」ではなく,「判定」であることに留意する必要があります。つまり,学科試験のように100点〜0点の範囲に点数が分布するという性格のものではなく,フィギュアスケートや体操競技のように採点者の「判定」が評価のポイントになります。評価者は評価制度をよく認識し,評価スキルに習熟することが求められます。
「段階の選択」は「5・4・3・2・1」あるいは「S・A・B・C・D」などの「5段階」で評価するところが多くなっています。公平性を担保し,差をつけるために「4段階」「6段階」「7段階」「10段階」などの場合もありますが,基本は人事評価制度に定められた(会社が決めた)基準をクリアしたかどうかがポイントです。
「5段階」評価の場合,いちばん大事になるのが,「3」あるいは「B」の段階が「ほぼ期待どおり」「標準」であることを強く意識した評価をすることです。「期待水準」をクリアした場合が「3」あるいは「B」の評価ということになります。
実際に「段階の選択」を行う場合は,まず「3」あるいは「B」段階であるかどうかの評価を行い,それ以上によくできていれば,「4」あるいは「A」と評価し,できていなければ,「2」あるいは「C」と評価します。これで,3段階の評価になりますが,改めて「4」あるいは「A」,「2」あるいは「C」と評価したものについて吟味し,最終的に「5」あるいは「S」,「1」あるいは「D」の評価を行います。
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