3 効率よくマネジメント・サイクルをまわす

◆ PDCAのサイクル

 仕事をすすめるときの最も基本的なマネジメントの原理は,PDCAのサイクルマネジメント・サイクル)をまわすことです(図表3)。PDCAとは,

Plan(計画)…目的・目標を明確にし,その達成方法を決める
Do(実行)…計画にもとづいて実行する
Check(評価)…実行した結果を評価する
Action(対策・処置)…チェック結果にもとづき対策・処置をとる

のことであり,それぞれのステップを確実に踏み,成果につなげます。
 まず職場の方針・目標を確認してから計画を立て,それを実行するために部下に仕事を割り当て,指示・命令し,意欲を持って業務ができるように動機づけをし,その結果を計画と対比して検討・評価・是正処置を確実に行うことです。そこから得た知識や経験を次の計画にフィードバックすることで,マネジメントの質は向上していきます。PlanとCheck・Actionはこのように全体の効率アップと仕事の質の向上のために行うものです。

◆ 継続的なPDCAの実践によるレベルアップ

 このPDCAサイクルは,現在,国家的プロジェクトから,企業全体の事業活動,職場の小集団活動まで,大小さまざまな組織レベルのマネジメントの運用に取り入れられ,活用されています。
 PDCAのサイクルは,すべての仕事に適用すべきものです。個々の仕事はもちろんのこと,継続的なPDCAの実践で,業務全体のレベルアップを図っていく必要があります。職場の作業単位のPDCAとしてなら,朝その日の作業計画を立て(P),それに従って作業をすすめ(D),うまくいかなかったところがあればその原因をチェックし(C),次の日はうまくいくように改善する(A) ―― という手順をとることになります。

 このPDCAのサイクルは1循環するごとに,仕事のレベルが1ランクずつレベルアップしなければなりません。単に平面的な回転ではなく,スパイラル状に上昇するところに大きな意味があります。
 昨日の仕事と今日の仕事が同じであっては現状維持でしかありません。同じPDCAのサイクルをまわすといっても,前期より当期,当期より次期が高い水準になるように持っていく必要があります。マネジメントレベルそのものの向上が大事なところです。マネジメント・サイクルはスパイラルアップすべきものです。
 PDCAのサイクルのうち,CheckとActionを合わせて,Seeとする考え方もあります。「Plan(計画)―Do(実行)―See(評価)」のPDSをまわすという言い方をします。本質的には同じことといえます。これを目標管理の運用に適用すれば「目標設定過程(P)」「目標達成過程(D)」「成果評価過程(S)」ということになります。
 いずれにしろ,リーダーは,PDCA(PDS)のサイクルをすべての業務において意識し,実践してください。

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