8 次につながる対策・処置のとり方(Action)

◆ 達成できたときは,さらに高い目標をめざす

 結果の評価(チェック)は2つに分かれます。

・「達成」…計画どおりの結果が得られた
・「未達成」…計画どおりの結果が得られなかった

 PDCAのAction(対策・処置)の段階は,結果の評価(チェック)に対して,どのような手を打つかを考えることになります。よいことはよい,悪いこと(問題)は悪いこと(問題)として,それぞれについて次につながる対策をとります。
 「達成」できた場合は,それでよしとせず,うまくいったこと,将来も役に立つことがらはノウハウとして蓄積します。同じような問題に対して,すぐに実行できるように標準化しておきます。また,仮にいまうまくいったとしても,次もそのとおりにできるように歯止めをかけます。
 もし,その実行の過程で,現状の弱点,欠点を改善する必要があると気づいたら,現行目標の水準をより高めるための取り組みをすすめます。図表8の「A:改善する問題」として位置づけられるでしょう。現在の目標よりも目標のレベルを高くして,そのゴールに近づけるように改善します。

◆ 未達成の場合は応急処置をとり,再発を防止する

 もし,「未達成」であれば,その応急処置をとり,再発の防止が必要になります。当初の計画が達成できなかったということは,マネジメントの進捗に影響が出ます。まず何らかの手を打ち,そこでの問題がさらに大きなものにならないように対策をとります。
 まずは,応急処置です。現に発生している問題の解決をしなければなりません。図表8の「B:発生している問題」です。なぜ問題が発生したか,なぜ目標が達成できなかったか,その根本原因をつかみ,処置する必要があります。このときの対策は,何よりもスピードが優先されるでしょう。当初計画した目標にできるだけ近づく必要が

あります。
 もう一つ大事なことは,達成できなかった原因を掘り下げて,二度と同じような失敗をしないように再発防止策を考えることです。そのためには,あらためて計画全体を振り返り,計画そのものにムリがあったのか,実行段階に問題があったのか,などを検討し,それぞれの問題を解決する取り組みをします。
 このような再発防止策を考えることは,同じような誤りを繰り返さないためにもぜひ行う必要があります。問題解決としては図表8の「C:予防する問題」を解決することといえます。
 PDCAのサイクルは,「計画」→「実行」→「評価」のプロセスに一致します。最後の「評価」の段階をCheckとActionに分けて考えるようになりました。つまり,結果を次の仕事にどう活用するかがより重要だからです。

 マネジメント・サイクルをきちんとまわすことは,マネジメントをすすめる際の基本の原則です。また,どのような仕事をする場合にも有効です。リーダーが仕事を行っていくときの大原則として理解を深め,実行できるようにすることが大切です。

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