6.アイデアをまとめ,全体がみえるようにする 親和図法


◆ 議論を収束させたいときに役立つ親和図法

 親和図法は,関係者が集まって情報やアイデアを出し合うブレーンストーミング※2を行う際,議論を収束させるために活用すると便利なツールです。ブレーンストーミングで出されたいろいろなアイデアを整理し,親和性のあるものを結びつけて結論へと導いていきます。

◆ 親和図法の手順

 親和図法は,次の手順によって行います(図表6)。
@ アイデアを書き出し,場に出す
 大きめの付箋を用意し,参加者が,思いつくアイデアを簡潔かつ具体的に1枚1枚の付箋に書き込んでいきます。複数のアイデアは必ず別の付箋に書きます。
A 親和度に応じてグループ化し,タイトルをつける
 すべての付箋をホワイトボードや模造紙に貼り出し,類似した内容のものをグループ化していきます(小グループ:各グループの付箋は3〜4枚程度)。次に,各グループの特徴,考え方などのキーワードを基に,グループにタイトルをつけます。
 この時点では,ほかのアイデアと相関関係のない独立したアイデアを排除しないようにします。だれもが思いつかないような創造的な提案の可能性もあるからです。
B グループ化とタイトルづけをすすめる
 必要に応じて付箋の並べ替えを行いながら,グループ化(小→中→大)とタイトルづけを繰り返していきます。
C 結論を導き出す
 グループ数が3〜5個程度になったら(大グループ),グループ間の相関関係(原


※2 ブレーンストーミングは,会議などで多様なアイデアを場に出したいときに効果的なツールです。グループに対して与えられたテーマについて,参加者がアイデアを出し合い,自由に意見交換を行いながら発展させていきます。1人では思いつかないアイデアが出され,これをいろいろな角度から検討することにより,さらなるアイデアの創出や改善につながっていきます。

因と結果,類似と反対,時間的経過など)を,わかりやすいように線や矢印などで表します。そして,最後に結論を導き出して文章に表します。

◆ 大グループ化してから全体像を見直す

 親和図法の活用に当たって最も留意したいのは,大グループにまとめたところで全体像を改めて見直すことです。グループ化の初期の段階では,まだ親和性を探し出すことに力を注ぎがちのため,問題点の本質からどんどんずれていくこともあります。その点,大グループでは,各グループの意味するところやグループ間の相関関係が把握しやすくなっているため,問題解決のための道筋も見えやすくなります。

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