3.チームの活性化とは 活性化されているチームの特徴


 それぞれのメンバーがチームの目的を共有化し,個々の役割が明確になっていることだけでは「チームが成り立っている」という状態であり,そのチームをいかに機能させ,活性化させることが重要となります。それでは,「活性化されているチーム」とはどういう状態をいうのでしょうか。
 チームが活性化されているとは,

チームのメンバーが主体的に意識を持って行動しながらそれぞれの能力を十分に発揮し,相乗効果が働くことでそれぞれのメンバーの能力を合わせたもの以上の成果が生み出されている状態

といえるでしょう。

◆ 活性化しているチームの特徴

@ 自由な気風がある
 チームにはさまざまな考えを持ったメンバーがいます。年齢,性別,経験,さらには得意分野などそれぞれ異なっていますが,メンバー全員が自分の考えやアイデアなどを年齢や性別などにこだわらず自由に出し合える気風があることです。

A 反対意見を歓迎する
 チームとして日々の業務を行う中で,会議や打ち合わせは重要ですが,メンバーの発言に対して,他メンバーが無視したり押しつぶしたりすることなく,よい雰囲気で的確に対応することが必要です。むしろ反対意見を歓迎することで,こういう考えもあるのかと新たな発見につながったり,いままで見えなかったことが見えたりすることもありますので,反対意見を歓迎する風潮は大事です。

B 葛藤を恐れず受容する
 反対意見を歓迎することで,チームの中ではさまざまな意見の相違が生じることは多くなるでしょう。その場合,「多数決は民主主義の原則」とばかり,安易に多数決で決めるのではなく,お互い納得のいくまで徹底的に話し合うことが必要であり,そうした気風があることが活性化しているチームです。

C 特定個人へ依存せず相互依存の関係がある
 メンバーの中に経験や能力の面で卓越した人が存在するケースは少なくありません。その人の力をチームの中でフルに発揮してもらうことは必要ですが,その人だけに依存していてはチームとしては機能しません。メンバーそれぞれ特性を持っていますので,特定の個人に依存することなく,メンバー各々がすすんでいろいろな役割・機能を分担して果たしていることが重要です。

D 参画と協働が広くみられる
 メンバー全員が,それぞれの役割を果たすことは重要ですが,ばらばらに身勝手な行動をすることなく,自律的にグループの状況に合致した効果的な行動をしていることです。l

E 本音の指摘がなされている
 一般社会では,人間関係にひびが入ることを恐れて本音での会話はなかなか行われないのが普通かもしれません。しかし活性化しているチームでは,特に暴走する人,浮き上がっているメンバーに対しては,冷静かつ友好的に他のメンバーから的確な指摘がなされているといえるでしょう。

F 目標に対する挑戦意欲が高い
 高い目標に挑戦しようと,その達成に向かってメンバー全員が活き活きと真剣な態度で取り組んでいることです。

G 当事者意識を持っている
 チームの問題に対して,メンバーそれぞれが当事者意識を持って主体的に解決に向けて行動しています。


 なお,活性化しているとはいえないチームの特徴としては,

・他のメンバーに不信感を持っている
・メンバーどうしの中で,気兼ね,遠慮などが存在している
・見せかけで儀礼的な行動が目立つ

などがあげられるでしょう。

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