2.投資に関する基礎知識

6つのポイント

 投資に必要な知識は広範囲にわたりますが,まずは投資に必要な6つの項目をリストアップするので,これらの基本事項を押さえておきましょう。

1.リスクとリターンの関係
 投資にはリスクがつきものであり,リスクを取ることでリターンが得られます。高いリターンを得るためには,高いリスクを取る必要があります。
 投資におけるリターンとは,「資産運用を行うことで得られる収益」のことです。一方,リスクとは,一般的な「危険なこと」「避けるべきこと」という意味ではなく,「リターンが不確実な(予測できない)こと」を表します。不確実の度合い(振れ幅)が大きいことを「ハイリスク」,小さいことを「ローリスク」といい,リターンとは比例します。
 つまり,ハイリスクとは,「大きく収益が得られるかもしれないし,大きく損失が出るかもしれない」という意味です。投資先の選定にあたっては,自分がどの程度のリスクを取れるか把握し,リスクとリターンのバランスを考えることが重要です。

2.投資商品の種類と専門用語
 投資商品には,株式,債券,不動産,商品,為替など,多くの種類があります。それぞれの商品には,リスクとリターン,投資対象や運用方法が異なります。さらに,株式投資ではPERやPBR,ROEといった専門用語*が用いられます。自分が投資したい商品を選ぶ前に,それぞれの特徴や用語を理解することが大切です。
3.投資先の分散
 投資先の分散は,投資家にとって非常に重要な要素です。複数の投資先を持つことで,1つの投資先に偏るリスクを軽減し,全体のリスクを抑えることができます。分散投資によって,ポートフォリオ(異なる資産を組み合わせて運用すること)全体のリターンを安定させることができます。
4.税金や法律に関する知識
 投資には,税金や法律の問題がつきものです。例えば,株式投資では配当所得や譲渡所得に応じた税金がかかります。また,不動産投資においては,登記や契約書の取り扱いに注意しなければなりません。投資をする前に,税金や法律に関する基礎知識を身につけ,トラブルを未然に防ぐことが大切です。
5.コストや手数料
 投資には,運用するためのコストや手数料がかかります。投資を行う際には,コストや手数料が低く,リターンが高い投資先を選ぶことが理想です。また,自身が保有している投資先の管理費用も,リターンを減らす要因となるため,投資先の管理費用などをあらかじめ確認しておく必要があります。
6.マーケットの動向
 投資をする際には,マーケットの動向を把握することが大切です。株式投資をする場合,企業の業績や国内外の経済情勢,政治情勢など,多くの要因が株価に影響を与えます。投資家は,こうした情報を収集し,的確な情報をもとに投資先を選ばなければならないのです。

 投資に必要な基礎知識はほかにもありますが,上記の項目を押さえることで,初心者でも安心して投資を始められるようになるでしょう。
 そして,投資には時間と忍耐力が求められ,短期的な変動に振り回されずに長期的な視点で取り組むことが重要です。思ったように成果が上がらなかった場合でも,焦らず,冷静に対処する必要があります。投資にかける時間を多くとれることは,投資商品の価格変動に対応できるということです。じっくりと取り組む姿勢をもって投資に臨みましょう。

  ※PER(株価収益率),PBR(株価純資産倍率),ROE(自己資本利益率)

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