8.話し方と話の内容をレベルアップさせる下準備


段取り八分

 「段取り八分」と言われるように,段取り(準備)さえ整っていれば,仕事の大半は完了したも同然です。何事も準備や事前の仕掛けが肝心であり,スピーチやプレゼンテーションにおいても違いはありません。
 では,人前で話す場合,どのような準備が必要になるのでしょうか。
 まずは,話す内容をできるだけ覚えることが重要です。もちろん,話す内容が多い場合や,専門性の高い内容の場合,すべて覚えることは不可能です。しかし,話の核心となる部分はできるだけ頭に入れておき,メモもつくっておけば安心です。

リハーサルは万全に

 次に,徹底的にリハーサルを行ってください。実は,この準備がとても大事で,筆者もセミナーや研修で初めて話す内容の場合,リハーサルを何度も行ってから本番に臨んでいます。
 第一段階としては,1人で練習します。座ったままでもいいので,時間を計測しながら声に出して練習してください。まだ話す内容を覚えていないようなら,原稿を読みながら話の流れをつかんでいきます。
 第二段階では,立ち上がって練習してください。その際に,できれば鏡の前で自分の姿を見ながら練習するとよいでしょう。このときも原稿を読みながらでもかまいません。
 第三段階では,個人練習の最後として原稿を見ないで練習します。その際,自分の目の前に聴衆がいることをイメージしながら視線も動かします。また,身ぶり手ぶりや足の動きも取り入れてみましょう(12ページ参照)。
 もし可能なら,第四段階として,身近にいる誰かに話を聞いてもらってください。自分1人で練習するのと,他者に聞いてもらうのとでは緊張感や臨場感が全く違います。できるかぎり本番に近い状況を想定して練習することが,現場における話し方の完成度を高めます。


最後の練習は現場で行う

 最後の総仕上げの練習は,実際にスピーチやプレゼンテーションを行う現場で取り組みたいところです。
 そのためにも,本番当日は会議室や会場などの現場に一番乗りするようにしてください。参加者が集まってからでは練習できないので,予定時刻より少なくとも30分以上前には現場に到着します。
 現場に着いたら,まずは自分の立ち位置の確認や,聴衆からの見え方などをチェックします。場合によってはハンドマイクやピンマイクを使わなければならないこともあるでしょう。そうした準備も必要です。
 一通りの準備が終わったら,声を出して本番さながらの練習をしてください。

聴衆の聞く態勢を整える

 聞く態勢が取れていない聴衆にいくら話をしても意味がありません。そこで,スピーチやプレゼンテーションをする前に,聴衆の聞く態勢を整える必要があります。特に,初対面の聴衆の場合はなおさらです。
 筆者が実践している方法は,名刺交換です。参加者が徐々に会場に入りはじめた頃を見計らって,できるだけ多くの人と挨拶しています。
「今日はありがとうございます。この後に話をさせていただく○○と申します」
 この一言によって,「赤の他人」から「知り合い」に関係性が変わります。そして,今日の主役であるスピーカーがわざわざ自分のところまで挨拶に来てくれた,と心を開いてくれます。
 こうして参加者の聞く態勢を整えることができれば,好意的な目であなたのスピーチやプレゼンテーションに耳を傾けてくれることになるでしょう。

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